乳がん手術の後遺症・リンパ浮腫について その2(治療)

前回→リンパ浮腫について
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リンパ浮腫には段階があります。
 0期:リンパ循環不全ではあるが、症状はない
 1期:指で押さえると跡がつくムクミ。
 2期:皮膚が硬くなり押してもへこまなくなる
 3期:ムクミが激しく、皮膚が硬くなって象皮化する。
    (白っぽくて象みたいな感じです・・・)

0~1期は休むとある程度まだ治ったりします。
2~3期は安静にしても治らない状態です。
こんな感じのようです。広田内科クリニック・むくみのページより
また、皮膚の変化については、象皮病、リンパ漏、皮膚潰瘍・・・聞いているだけでも痛々しいです・・・・

リンパ浮腫の治療は、薬物やもちろん外科的な手術の方法もあります。
  ・静脈を切り取ってリンパ管として補う
  ・たまった脂肪、あまった皮膚を切り取る
でも、できるならあまり切ったり貼ったりしたくないですよね。
では、今治療としてまず一番最初にやる方法は?
海外でも奨励されいる
「複合的理学療法」(=フェルディ式リンパドレナージュ)です。
 ①スキンケア(清潔・保湿)
 ②用手的リンパ誘導マッサージ(リンパドレナージュ)
 ③圧迫(バンテージ、弾性スリーブといわれるもの)
 ④圧迫した状態での運動

2期3期の状態でも、左右差を感じないぐらいまでムクミを改善することができます。
国立がんセンターのリンパ浮腫専門外来でも、この方法が取り入れられています。
その後、状態によってムクミが取れてあまった皮膚を外科的に切り取ったりする場合もあるようです。この治療のできる技術者(=セラピスト)の育成(※)は、
民間の法人が行っているもので治療院のようなところでも治療を実施しています。
(※次回これについて触れます)

それぞれの工程について(・・・あくまで乳がん患者である私個人の認識です。)

①スキンケア
清潔にすること、保湿はもちろんです。何故って何より怖いのが感染症だからです。
リンパの流れが悪いということは、入ってきた「細菌」を回収する力も弱いということです。
予防として、蚊に刺されても消毒する。
土いじりにはグローブをはめるなど・・・
皮がむけるほどの、日焼けによる炎症は気をつけるべきです。

急性の炎症については
 ・皮膚の表面近くが炎症を起こす場合・・・丹毒
 ・リンパ管に沿って炎症が起きる場合・・・リンパ管炎
 ・皮下組織全体が炎症を起こす場合・・・蜂窩織炎
この場合は、全身に発熱を伴うようで抗生物質による薬物治療が優先されるようです。
これにマッサージを加えると全身に広がってしまいます。
逆に、アレルギー性の皮膚炎の場合もあるので医師の判断を仰ぐべきです。

②リンパ誘導マッサージ(リンパドレナージュ)
マッサージによって、たまったリンパや、脂肪を流します。
これによって新しいリンパの流れができるとも言います。

皮膚表面にあるリンパの網目状のネットワーックは、
大まかですが以下の連絡路にまとまります。
<リンパの連絡路>
 右腕:リンパ末端→リンパ管→腋窩リンパ節→静脈→心臓
 左腕:リンパ末端→リンパ管→腋窩リンパ節→胸管→静脈→心臓
 足 :リンパ末端→リンパ管→左右足の付け根のリンパ節→腹部リンパ節→
    胸管→静脈→心臓

全てのリンパの流れと静脈との接合部は首の付け根、左右鎖骨のもっとも内側の付近にあります。足のリンパ液は左側首に入ってくることになります。
なのでリンパドレナージュはこの流れを利用して、首からはじめます。

もし、右腕の腋や腋窩リンパ節が減って戻る流れが弱くなっているなら、
なんとかその先の静脈への流れをマッサージなどで手伝ってやる必要があります。
場合によっては、背面に流してやったり、右足の付け根のリンパ節といった具合に、
他のリンパ節も利用して、
たまったリンパをリンパの連絡路に乗せてやって心臓へ戻してやるのです。

正しいマッサージの順番、手法で、毎日マッサージを続けることが大切です。
また、強すぎるモミほぐしは、リンパの網目を痛めつけることになります。

ただ、くれぐれもマッサージの手順について単純な判断ではできません。
医師・専門のセラピスト等の判断が必要です。

なぜかというと、心臓疾患などの禁忌事項があったり、
乳がんのリンパ郭清だけでなく、盲腸の手術をしたとか、子宮の手術をしたとなると
全く手順が変わります。

この中に「図解・セルフマッサージ」の入り口があって、セルフマッサージのイメージがあります。心愛治療院(フェルディー式マニュアルリンパドレナージュ)topページ
私はKEA工房で上記HPの治療院(上級セラピスト)による講習をうけました。
こういった上級セラピストによる講習や、治療院、
色々なシンポジウムで、一度どんなものか見てみるのが一番です。

③圧迫(バンテージ、弾性スリーブといわれるもの)
マッサージで終わってしまうのは、ただのエステです。
せっかく細くなっても維持できません。
キチンとバンテージや弾性スリーブで圧迫し、皮膚が広がらないようにします。
装着の仕方は専門家に教わります。
正しく装着しないと、指だけ膨らんでしまったり、
弾性スリーブも6ヶ月が寿命。でないとゴムの弱くなった肘だけが浮腫んでしまったりします。

④圧迫した状態での運動
不思議に思われるかも知れませんが、前回のリンパの仕組みを読み返してみてくださいね。
リンパは自分で動くんです。
そして、皮膚と筋肉の間にリンパはたまるんです。
なので、皮膚をしっかりおさえ、筋肉運動することで、リンパが流れるのです。
筋肉が皮膚をマッサージするイメージです。

②③④は本当に重要です!!
しかし、成果を出しているにも関わらず、この分野は医療としてあまり認知されていません。
なので保険もききません。

次回は私の事例と治療の現状について・・・
乳がん手術の後遺症・リンパ浮腫について その3(私の場合)



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追加:<関連記事>
リンパ浮腫と旅行の準備についての記事: 
  baliへ!part2
  baliへ!part3
リンパ浮腫について:
  乳がん手術の後遺症・リンパ浮腫について その1
  乳がん手術の後遺症・リンパ浮腫について その2(治療)←当該記事
  乳がん手術の後遺症・リンパ浮腫について その3(私の場合)

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by easy-easy | 2005-11-30 11:23 | -リンパ浮腫について

忘れたくない日常を残そう、楽しくブログライフを過ごしていたら’05.1に乳ガンを宣告。温存できましたが3~5年前なら全摘のケース。1ヶ月入院、放射線後、ホルモン治療。下記カテゴリをクリック!!無断転載不可です


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