カテゴリ:-ホルモン治療の副作用( 6 )

さよなら、ノルバ。

これが最後のノルバデックス(タモキシフェン)です。
(これまでの治療・経緯→ホルモン治療について・その2全身治療
b0028085_10445262.jpg

ノルバデックスを終了したのは先月の20日(2007.2.20)でした。
開始してからちょうど2年ということになります。
ゾラデックスの注射は4月の丸2年を迎えるまで続けます。
当初、ノルバデックス(TAM)+ゾラデックス(LH-RHアゴニスト)の併用2年ということでしたが、
体調、精神面など副作用と思われる症状に耐えられずノルバデックスを止めることにしました。
ただ、併用ではありませんが、それぞれ服用・投与から丸2年はやりきることになります。

今後のスケジュールは
①ゾラデックス終了後の5月に全身検査。
②その後にwash out期間(※)後に全身検査。
  ※生理がもどってから1年。薬を使わない期間。
③②の結果より、妊娠可否を決める。

wash out期間については、特に基準はなく、一般的に抗がん剤の当該期間が6ヶ月といわれることを参考にされています。
これらの薬の服用・投与のパターンはノーマルではなく、
ノーマルはゾラ2年+ノルバ3年や、ノルバ5年などありますが、
私の場合は年齢と出産の条件を考えたうえでの決断ではありました。
当初の併用2年をまっとうできなくなることに、引け目や、不安はありましたが、
主治医、主人との話し合いをし、決めました。

病気については、
罹患が35歳以下の若年性乳がんということで、再発のリスクは高いこと。
妊娠出産についても、普通の人とは少し気をつけなければならないことはあります。
授乳期乳がん、妊娠乳がんです。
どこかに何かがあれば、それが一気に悪くなる可能性はあります。
そのために、上記①②のタイミングでの全身検査が必要になります。
これらの心配は、最悪な状況を想定したもので、妊娠・出産は悪いことというわけではありません。
b0028085_10461780.jpg


夏からウツ症状が出てしまった私にとって、
ホルモン治療を続けること、やめることのメリット・デメリットについて、
もう一度考え、選択する事はとても難しく、
主治医と主人に理解を求め、ICの場を設けるまでに時間がかかった。

普通薬と言えば薬自体の副作用が出る。この治療はさらに「更年期のような症状」が出る。
今気になる症状は薬自体の症状である可能性が高く、
また、閉経させたことによるホルモンの低下によるホットフラッシュなどのはっきり形に出ない症状もあります。

これらの治療はあくまで「予防的な治療」であり、
もしかすると、やらなくていいかも知れない。
ただ、リスクとして10%20%の再発の可能性があるとすれば、
普通の生活をしていて10%というのは大きすぎる数字。
副作用無く、予防できることはどんどんやっていこうというのが考えです。
体をボロボロにしてやる治療ではない。
その答えは10年たたないとわからないけれども。

これまでの記事に書いた症状についてですが、
特に主治医が気にするのは、目のカスミ。
これは薬自体の副作用と考えられ、我慢を超えた状況。1年以上前からアラームをあげたものの、主治医は深刻にとらえていなかったようで、普通、目の症状がでたら、ノルバデックスを続けさせることはしないそうです。
目のカスミといわれてしまいましたが、私の場合、焦点が合わない症状があり、眼科でもどうすることもできません。薬を打ち切ったからといって治るかどうかもわかりません。
目のストレスというのは大きいもので、ウツ気味の症状を助長させているのかも知れません。

徐々に薬をやめる、
きっちりした併用2年にこだわらないというのが選択の道となりました。



------
[PR]
by easy-easy | 2007-03-27 10:39 | -ホルモン治療の副作用

その後

みなさまお元気ですか?
私は元気です。ボチボチといったところでしょうか。
先月に比べたら、随分落ち着いて、全然元気。
11月は忙殺されてたこともありましたが、何とか乗り越えられそうです。
あとは12月の”第九”のステージに向けてつっぱしって行こうと思います。

乳がんのホルモン治療の副作用のことで、気になっている方も多いのではと思い、
備忘録がてら、ご報告です。  ( 前回→ホルモン治療と副作用④ )

***
11月20日 主治医との会話より・・・

ホルモン治療をやめるか?について

私からは、結局、主人との自然な会話の中で「治療をやめる」という選択肢を引き出すことができず、「うつ気味」の状態とがん治療の兼ね合いについて、うまく理解が得られなかった。
私自身も症状を忘れてしまうから、うまく説明もできず。

「ウツ気味」については、主治医がもといた病院で女性専用外来と内科で処方されている薬によって、症状のコントロールの目処がたった。なんとか乗り切れるのではないか。

  ・女性専用外来では
   更年期症状をコントロールするための治療を受けています。   
   当帰芍薬散:更年期症状の緩和
   リーゼ:極度の緊張や不安を抑えるような薬。多分弱めの薬。
   
  ・内科(神経内科)では
   乳癌の手術で入院中に再発症した三叉神経痛・
   退院後発症した逆流性食道炎を見てもらっています。
   三叉神経痛向けテグレトールという薬が
   リーゼとあわせることで、ウツのコントロールにも丁度よく有効っぽい。
   神経の働きに持続的に効く薬だったらしい。これをマジメに飲むこと。
   逆流性食道炎にはタケプロンをいただいています。

それを受けて主治医からの提案は、

「なんだったらぼくから説明するよ。
ホルモン治療を止めないか?ノルバデックスだけでも止めないか?
ノルバデックスからフェアストンに変えるっていう手もあるけど、
閉経前だから保険が効かない。」


主治医が気にしている症状は、「目のカスミ」「関節痛」「物忘れ」。

目の調子がそこまで悪いと認識していなかったらしい・・・1年半ぐらい前に話してはいたのですが。
(当時の頃のこと→目やらなにやら )

私:治療が終われば、視力は戻るんですよね?
主治医:うーん。大体は良くなるって言う人が多いけどね。
ただ、ここまで我慢している人がいないからねえ(なんともいえない。)
普通、目に来ると、精神的にも日常的にも滅入ることが多く、耐えられなくて、すぐにノルバデックスを止めてる。
  
主治医:やめよーよ。
私:えええ・・・・・・・・・

女性専用外来の先生は、ウツ気味の時に大きな物事の判断はすべきでないと思っている。
内科(神経内科)の先生は、物忘れの方を気にしていて、脳波の検査に乗り気だ。
主治医(外科)は、、、、ホルモン治療を止めさせたがっているようだ。

彼らが同じ病院で、話し合ってもらえたら、どんなに気が楽か。。。

ホルモン治療はゾラデックス&ノルバデックス、併用2年。
来年、5月に終了・・・あと半年。
深刻に悩まずに、なんとか続けて欲しい。
それが、主人の想いだ。

私もそうだ。そうしたい。私には生きる責任がある。



ナニがツライ?



何より「ウツ気味」症状だろうか。
「私が私らしくないこと」がつらい。30代半ば、もっとやれることがあったはずだ。
症状は、感情であるとか、気持ちであるとか「偏る」。脳の働きが「偏る」のが分かる。
過去に過労で自律神経失調症(今から思えば慢性疲労症候群??)になったことがあり、そのときとは全く違う。何が違うって、薬が効くのが顕著なのだ。

主治医:すっごく冷静だよね。
私:冷静な自分と情緒的に落ち込んで「泣く」自分と2人いて、疲れます。
主治医:それはそうだなあ。疲れるなあ。


新宿で真っ白な壁に囲まれて、自分がどこに行こうとしていたかすら忘れる。
涙がでてくる。
そんなときは、キタキタと思って、すみっこの方で泣いてみたりする。
そのうちに、思い出す。
冷静な自分と、泣き虫の自分。
薬を飲んでいれば、そんな2人の自分を意識することはない。まず泣かないし。

言葉にすると大げさになってしまうが、他人から見れば別に普通の人だ。
無理は効かないが、生活も普通だ。

乳がんを宣告され、手術し、治療を続け、
精神的にも肉体的にもインジャリー・タイムがとりたくて、
本能的にウツ気味になるんだと思う。
おとなしくしてろという神様のサインだと思う。

ただ、鬱病になってしまったら、、、どんな風になってしまうんだろう。
いやだなあ。こんな色々ハッキリしない病気。
私には、ホルモン治療というハッキリした原因がある。だからまだ気楽なのかも。
b0028085_18412289.jpg

[PR]
by easy-easy | 2006-11-29 18:54 | -ホルモン治療の副作用

ホルモン治療と副作用④

前回まで
<都立K病院で行われた乳がんのホルモン治療の副作用に関するアンケートについて>  
  ホルモン治療と副作用①ホルモン治療と副作用②
<ホルモン治療ってナニ?>
  ホルモン治療と副作用③

***
具体的な治療・症状について。私の経験を順を追って書こうと思ったのですが、
思うように書けない状態で、、、、、一番下に「おまけ」って形でまとめてあります。



突然ですが「近況」について、、、、

今日は、主治医の診察&ゾラデックスの注射でした。
「ホルモン治療をやめる」ことを検討するようにという事になりました。

ホルモン治療が原因と考えられるのですが、
日によってムラはありますがゾラデックスが1年経ったあたりから、
(ノルバデックスは放射線治療前から始めていたので約1年2ヶ月)
その副作用から心身追い込まれた状況が続いていました。

今年(2006年)5月に女性専用外来を受診し
いわゆる更年期症状の緩和を目指しました。
漢方によて、のぼせ、物忘れ、ムクミといった症状の改善が出来たものの、
足首、股関節の関節痛と目の焦点が合わない(かすむ)状態は
変わらず実際の生活に響いたままでした。

そして、、、夏ぐらいから、似たようなキッカケがいくつか重なって、
精神的にというか心身、ストンッと一気に落ち込んでしまい、
ウツ的な症状がコントロールできなくなった。

先月9月「ウツ気味」と診断されました。

過去に過労で倒れて病院に運ばれたこともあるのですが、
あきらかに違う症状。そのときは全然薬なんて効かなかった。
(片側顔面痙攣、両手両足が数時間麻痺、
起き上がれないなど、自律神経失調症のヒドイ状態。)

しかし、「ウツ気味」はどうやら薬でコントロールできる部分があり、
つまりは、今回の私の場合、あきらかにホルモン治療の影響によるものと思われます。
人によっては「ウツ」の根本原因を改善する必要がある場合もあります。
例えば、環境・・・生活をかえるとか、人間関係を変えるとか。

まあ、私もいわゆる「ウツ」の症状があります。
ただ、この治療が終われば問題ないと思っているので、
あまり深刻に考えていません。

眠れないときは眠れないなーと思うし、
カーッと不安や不満がグルグル、ドキドキするときは泣いてみるし。

辛いのは、記憶が瞬間的に飛んでしまうことです。集中できないことです。
例えば乗り換えるときに、どこに行こうとしていたか分からなくなる。
目の焦点が合わないことも、集中できない原因の1つにあると思います。

やりたいことができない、いつもできることができない。
それだけで、悲しい。
痛みも耐えがたくなっていく。



辛い。



ゾラデックスも来年(2007年)5月まで。残すところ7ヶ月。
ノルバデックスもそこで打ち切る予定でした。


抗がん剤も選べなかった私・・・この治療ですら耐えられないのか・・・


もし治療を打ち切ったとして

もし、何かあったら、、、一番後悔するのは主人なのではないだろうか。


だから、いえない。


1月に、外科については主治医と一緒に転院して
慌しく、細かな症状など伝わっていなかったようだ。

泣けてしまった私に言った。

「そこまで、追い詰められた状況とは気がつかなかったよ。ごめんね。
そんなに無理する必要はないんだよ。
ノルバデックスのみの期間も含めれば1年半がんばってきたんだから。
○年やらなきゃいけない、なんてことはないんだよ。」

「薬を減らす方法もある。
妊娠を考えるならゾラデックスを先にやめてもいいのかも知れない。」





「治療方針を変えるなら、ご主人と一緒に説明してもいいよ。」





おまけ:
<ノルバデックス+ゾラデックス>の副作用と思われる症状と、対処について


以下の、症状も、その対応も、個人的な主観です。
いわゆる更年期と似た症状があらわれます。
年齢が若いと、極端に出る場合もあるようです。



・顔などの皮膚のひび割れ・・・
     ノルバデックスを始めて1ヵ月ぐらいの時がひどかった。
     皮脂腺が緊張しているようなので、オイルを足すようにした。
     体が慣れてくるとあまりひび割れなくなってきた。


・ツメがササクレる・
 髪のこわばり・乾燥・・・オイルを足すようにした。

・腹痛・・・子宮が収縮する。
      婦人科検診をうけるとエコーでひび割れのように写る。
      その際に、子宮頸癌、体癌の検査もする。
      子宮体癌もノルバデックスの副作用の1つ。

・太った・・・6キロ増。。。痩せるしかないのですが、運動が思うようにできなかったり、
       しかし、食事を減らしても、以前のように、すぐに結果に結びつきません。
       食事も変えて、体質改善的なこともいいのかも知れないけれど、
       今、体力も落としたくないし、まずは、これ以上増やさないこと!!
       それだけを気にしています。
       血液検査でγ-GTP、と中性脂肪の辺りの数字は気にする様にしています。

・粘膜が乾燥しやすくなる・・・痔など
      出血がヒドイときは、塗り薬をつけたりしますがー専用薬の方がいいのかも。

      性交痛の理由でもあります。
      雑誌で見たのですが、性交痛については、ジェルなどを使う方法もあるようです。
      子宮ガン、乳がん治療にともなう、
      セクシュアリティーの問題の1つとして認識されています。

・視力が落ちる・・・目の焦点が合わない、かすむ。
           眼科で眼底検査を受けた。定期的に診察してもらっている。

・ホットフラッシュ・・・ほてり、のぼせ。
      漢方・・・色々ありますが、私の場合は「当帰芍薬散」を使用しています。
      1ヶ月経ったあたりから、のぼせる代わりに「大量の汗」が出るようになりました。

・物忘れ・・・これも更年期の症状の1つ。
       上記の「当帰芍薬散」が効果があるという説があるようです。


・関節痛・・・足首がいたいのは何か別の理由だと思っていたのですが、
       どうやらこれも副作用のようです。股関節も同様。
       朝の起きて歩こうとすると痛くて歩きにくい。
       3時間以上連続して歩くと、痛くて一歩も動けなくなる。

       足首を使わないように歩くなど工夫が必要。
       立ちっ放しなど、足に負担をかけたら、シップなどで冷やし、翌日はよく休む。


・骨粗鬆症の防止・・・ノルバ+ゾラの併用。
       ゾラのみだと骨が弱くなるので、ノルバデックスには、逆らしいです。

   追加:これとは関係ないのかも知れませんが、
       左の人差し指の先の骨に石灰化が見られたので、
       骨にも気をつけてみています。
       ヨーグルトのカルシウムは一番吸収されやすいようなので、
       ヨーグルトを食べたり、スキムミルクを更に加えて食べたりしています。
       同時に、きのこ類もよく摂る様にしています。
       (プロビタミンDの摂取を目的とするなら、
       天日干しの方がいいのですが、そこまではやっていません(^^ゞ)


・ウツ・自律神経失調症・・・
      ホルモンは自律神経などに作用するので、無意識に行う体の機能の制御、
      精神的なものにも影響がでます。
      例えば、生理前、イライラすることもあるでしょう。これもホルモンの影響です。
      強制的に卵巣機能を止めているのであれば、当然の影響かも知れません。
      ウツ気味がひどくなると「鬱病」と呼ばれます。

      特にウツについては、脳神経の伝達の偏りなんじゃないかな。
      悲劇役者が悲劇のシナリオしか演じられなくなるような感じ。
      自分にはあり得ないと思っていたし、
      薬ナシで乗り越えられるものだと思っていました。

      寝ている間も体がこわばっていました。
      女性専用外来で、自律神経などの検査もし、
      普段から緊張度が高くなっていることが分かりました。
      リーゼ(抗不安剤)を処方されています。

      心療内科や精神科でも良いと思います。 
          

・その他の対処。
     実は歌をはじめました。 声を出すと勇気がでるから。

     ベートーベンの「第九」を歌うことにしました。
     こんな状態で、色々ハンデはありますが、心身にムチを打ちつつ。。。

     年末、心豊かな人たちと”An die Freude”(歓喜の歌)を歌えたら。
     お世話になった人たちに、歌を届けられたら。
     患者同士が、いつまでも純粋にお互いを励ましあっていけますように。。。
     ダメダメな私ですが、、、今の私の小さな夢と祈りでもあります。




b0028085_1053375.jpg

***
<関連記事>
その後の副作用などについて
※「退院後の日々」のカテゴリより抜粋。
 → 目やらなにやら
 → その後・・・温存について③(2005.8.12)
 → 定期検査の結果-母は強し(2005.11.28)



-----
[PR]
by easy-easy | 2006-10-26 19:55 | -ホルモン治療の副作用

ホルモン治療と副作用③

前回まで  →ホルモン治療と副作用① →ホルモン治療と副作用②

今回はソモソモ論「ホルモン治療ってナニ?」
私個人の備忘録・・・色々聞きかじりや、本で学んだことですがー、記事にアップしていなかったこと、まとめてみようかと思います。

これまでも自分の治療にあたって、触れてきてはいます。
乳がんは、外科的に取るだけではありません。ガンの要素は全身にあると考えます。
  治療1:治療(その1外科的な治療)
  治療2:治療(その2全身治療)
  治療3:治療(その3局部的な再発防止の治療)
  治療3 補足:放射線治療の日々(下着・メカニズムなど)
          放射線治療について・・・温存の希望
***
ホルモン療法については100年以上の歴史があります。
1896年乳がんで進行した人に卵巣を取る手術をしたところ、
ガンが小さくなった。それが始まりです。

今でも、卵巣を取るというのは、標準治療の選択肢の中に残っています。
でも、そこまでしなくても、薬でのコントロールが可能になった。
それが現在私たちが受けているホルモン治療です。

なんで、ホルモン治療が効くのでしょう?
女性は年頃になったり、妊娠すると胸が大きくなったりします。
乳腺は卵巣ホルモンの働きに影響を受け、増殖します。
乳がんの細胞は乳腺の細胞から生じるので、
乳がんの細胞もまた卵巣ホルモンの働きによって増殖し、萎縮もする傾向があるからです。

ガンの種類によっては、もともとホルモンの影響を受けないものもあるため、
治療を決めるには、「ホルモンレセプター」を必ず調べます。
外科的に手術を行い、これを病理で調べるのです。
ここで、がん細胞にホルモンの受容体があるか無いか、受容体の量をを調べます。
ホルモンレセプターが(+)で%が高ければ高いほど、女性ホルモンの影響を受けるガンと言えます。

受容体とは、足・・・鍵穴のようなものといったところでしょうか・・・

1.現在のホルモン治療での第一段階の考え方

どの薬を使うか、どの組み合わせにするかは
生理があるか、閉経しているか、年齢によって変わってきます。
考え方としたは2つ。
①体内のエストロゲン濃度を下げる
②エストロゲンはそのまま(減少させる)で、
 それが作用するのに必要なホルモン受容体事体をブロックする。

そしてどの薬を使うか・・・
 ・抗エストロゲン剤=TAM(タモキシフェン)・・・ノルバデックス・タスオミン・フェアストン
 ・LH-RHアゴニスト製剤          ・・・ゾラデックス、リュープリン
 ・アロマターゼ阻害剤           ・・・アリミデックス・アロマシン 

抗エストロゲン剤は、
細胞にエストロゲンをつかないようにするものです。

抗エストロゲン剤であるタモキシフェンには長い歴史があり、
健康な人に乳がんの予防に投与するという臨床実験があったぐらい安全といわれています。
お医者さまにとっても、実績のある薬というのは心強いでしょう。
また、経口剤で毎日1錠お手軽に飲み続けることができます。

しかし閉経前の卵巣が活発だと、
それが対応しけれないほど多くエストロゲンが分泌されている可能性が高い。
だから、LH-RHで卵巣機能を止めます。

LH-RHは性腺刺激ホルモン放出ホルモンです。
脳の間脳・視床下部から分泌されるホルモンで、
これにより下垂体からLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌されます。
さらに、これらの刺激で卵巣からエストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。
この連携を断ち切るのです。
この薬は、毎月あるいは一定の周期で皮下注射をしなくてはなりません。
閉経前で卵巣機能を抑制するというと、
LH-RHアゴニストのみ、
あるいは(LH-RHアゴニスト+抗エストロゲン剤) ということになります。

閉経後であれば、卵巣機能を止める薬剤を使用する必要はないことになります。
しかし、エストロゲンを補給するために
脂肪組織にあるアロマターゼがある酵素によってエストロゲンに作り変えられてしまう。
それを防ごうというのがアロマターゼ阻害剤で近年注目されているようです。

しかし歴史が浅いので、長期間使った場合の効果や副作用についてはわかっていません。
2003年にスイスのザンクトガレンで開催された国際会議での乳がん術後補助療法の合意事項でも、標準的治療はタモキシフェンで、アロマターゼ阻害剤に切り換えることは時期尚早とされました。


2.第三の選択肢 プロゲステロン製剤
なぜプロゲステロンが乳がんに効果があるのかはあまりよくわかっていませんが、
TAMに準じる効果があるとされています。
現在、日本で使われているのはメドロキシプロゲステロン(・・・商品名:ヒスロンH)。
ただ、この薬には体重増加、ムーンフェイス(※)、
血栓症などの副作用があります。
(※満月様顔貌・・・ステロイド系薬剤の副作用の特徴。顔が満月のように丸くなる)

優先順位は、閉経前にはLH-RHアゴニストまたはタモキシフェン、
閉経後はタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤であり、
メドロキシプロゲステロンはどちらも3番手の薬とされています。


3.日本でのホルモン剤の歴史
抗エストロゲン剤タキモシフェンが日本で承認されたのが1981年です。
1970年から3万人以上に臨床実験が行われた経緯もあります。
LH-RHアゴニスト製剤のゾラデックス、リュープリンが1994年、
ファドロゾールという第一世代のアロマターゼ阻害剤が1995年。
そして第二世代のアナストロゾールが2001年。

日本でのホルモン療法の歴史はまだ30年ぐらいしかありません。
それ以前のホルモン療法は卵巣摘出や、
女性ホルモンに対抗して男性ホルモンを投与するなど、つらいものでした。

しかし、歴史が浅い分、ホルモン剤の新薬そのものや、
今でも抗がん剤との組合せ・タイミングや
ホルモン剤同士の組み合わせなど、さまざまな研究が進行中です。

色々な日本、海外のガイドライン、ザンクトガレンの決定事項など
気にしていないと最新の情報はわからないし、
主治医のスタンスによっても方法が変わってくる可能性があります。


4.治療の選択にあたって

私の場合、34歳という微妙な年齢、将来の妊娠出産への希望、
医師からの抗がん剤の提案もあった中、
(LH-RHアゴニスト+抗エストロゲン剤)の併用2年。
wash_out期間1年以降に妊娠という道を選び、1年が過ぎました。
抗がん剤をしなかったことを、ベストを尽くしていないのではないかと悩んだこともありました。
最終的に気になったこと、納得した背景は以下のリンクの記事です。
 → フッキッテ、バリへ・・・

5.思うこと

現在、私たちが受けている医療は最先端といえます。
不安はあるけれど、落ち着いてじっくりワンステップ、ワンステップを積み重ねて行こう。

ですが、医者がホルモン治療や抗がん剤を体験しているわけではありません。
風邪薬じゃないんだから。
卵巣を摘出する方法の代替としてホルモン治療が発達したと考えれば、
女性の体に何が起こるか、どんな影響があるか、、、それそのものが副作用なのです。
様々な症状は患者にしか分からないのです。
きちんと声を形にしていきましょう。未来の患者たちのために



<参考>欄外「ライフログ」欄のリンクにも紹介している本。
    ・レタスクラブサードオピニオンシリーズ「乳がん よくわかる乳房温存療法と治療薬」
     JR東京総合病院 川端英孝  (2003年)
    ・NHK今日の健康「乳がん」(2005年)
    ・その他メルマガなど・・・   
   
    
次回は、具体的な治療・症状について。私の実生活を中心に!?


-----
[PR]
by easy-easy | 2006-09-29 14:37 | -ホルモン治療の副作用

ホルモン治療と副作用②

前回の続きです。
今回はとっても心強いというか・・・「あるある~~~~~!!」って思うと思う。

主治医と一対一もいいけれど、隣の芝が気になることも。
安心して。こんな思いをしてるのはキミだけじゃない。
不安になる症状・・・それは再発とは限らないし、他の病気になったわけでもない。
「ホルモン」というのは、人の体の「調子」そのものに関わる物質です。


以下の<資料>は
都立K病院で行われたホルモン治療に関する貴重なアンケートで解答者数は101人。
→シンポジウム・乳がんについてもっと知ろう~ホルモン治療と副作用について~ (2005.11.12) 
  内容が「がんサポート」にも一部掲載されていました。


調査対象・言葉の前提は上記の前回の記事のリンクからご覧ください。
→ ホルモン治療と副作用①

<資料>
※卵巣機能抑制・・・LH-RHアゴニストのみ、LH-RHアゴニスト+抗エストロゲン剤
b0028085_954289.jpg


資料にあげられている症状は、代表的なものだと思います。

ホルモンはそもそも自律神経にも作用しますし、精神的にも不安定になることだってあります。
性差医療という言葉がありますが、
病気はこれまで男女一緒の治療と考えられることが多かった。
しかし心筋梗塞などの治療方法は、男女によって違いがあるといいます。
例えば血管をやわらかさには女性ホルモンが作用しているとか。
こんな大事なことなのに、この分野の研究は始まったばかり。
乳がんの検診しかり。
長い歴史から見れば、まだ、データを積み始めたばかりといえます。

乳がんのホルモン治療に話をもどしますが、
若い人ほど副作用は強く感じるといいます。
卵巣機能の抑制はそれなりに女性の体には強烈に作用してしまうんですね。
それとも、抗エストロゲン剤の作用が強いのか。。。
アロマターゼ阻害剤は閉経後に使用されますが、ノルバデックスよりも副作用が少ないといいます。
ですが、LH-RHアゴニストや抗エストロゲン剤とは違った症状が出るようです。
年輩の癌友が「指がこわばる~~~~~」といっていたのは、
抗がん剤だけが理由ではないのかも知れません。

お友達に不安がる人がいたら、、、教えてあげましょう。
その症状、結構沢山の人が感じてるみたいよって。
共感してあげてください。辛いわねって。大変ねって。
そして、主治医に、担当科医に、しっかり伝えましょう。

ホルモンに関する研究も、ガンに関する研究も、未知な世界があるのですから。
私たちの声がデータそのものであり、声を残していきましょう。


つづく・・・
次回は治療について、そもそも論的なお話を。
→ ホルモン療法と副作用③


***
年内はちょっと忙しくなります。11月中まではMAX m(_ _)m

そして・・
左手の薬指を中心として腱鞘炎になっています。外傷なんですけどね。→詳細はこちら
おまけに外耳炎?にまで・・・ああ耳が痛い・・・
そのため、色々と(相変わらず!?)滞ることもあると思いますが、
記事の方は何とかボチボチUPしていけたらと思っています。よろしく♪





-----
[PR]
by easy-easy | 2006-09-13 09:50 | -ホルモン治療の副作用

ホルモン治療と副作用①

ホルモン治療のみを選択、あるいは化学療法と併用している人は多いようですね。
私はホルモン治療のみ2年間行うという選択をしました。
当時・・・といっても1年半前のことでしたが、
出来る限り、より安全により確実に妊娠出産がしたいので、自身の条件を踏まえたうえで、
色々なデータを信じたっって感じです。
くれぐれも、私なりの背景があってのことです。
ホルモン治療についてと、背景については以下の記事をご覧ください。
 → その2全身治療(ホルモン治療)

結局、ガンって原因も治療も研究途中なわけだから、
乳がんの標準治療とされても、
その有効性はあくまで「データによる傾向」で決まっているにすぎない。
術後のフォローや治療については、まだまだ手探りの部分があります。それが現実。

それにしても、このホルモン治療。
「更年期障害みたいな副作用がある」といわれたって、
更年期になったことがないから分からない。
2年、5年と長期なわりに、知らなくて不安になることって多いです。

以下の<資料>は、いずれも、
都立K病院で行われたホルモン治療に関する貴重なアンケートで解答者数は101人。
とても興味深い、勇気付けられもする資料でした。
シンポジウム・乳がんについてもっと知ろう~ホルモン治療と副作用について~ (2005.11.12) 
  内容が「がんサポート」にも一部掲載されていました。


<資料>
グラフはすべて<ホルモン治療に関するアンケート調査>(2005.10)

b0028085_8504631.jpg

アロマターゼ阻害剤は閉経後の方が使うと聞きますが、
副作用が抗エストロゲン剤のみで感じる人より少ないのが印象的。
これは今後もポイントになってきますよね。

ここでいうホルモン治療の内容は、以下のものを指します。

抗エストロゲン剤・・・ノルバデックス・タスオミン・フェアストン
LH-RHアゴニスト・・・ゾラデックス・リュープリン
アロマターゼ阻害剤・・・アリミデックス・アロマシン
※卵巣機能抑制・・・LH-RHアゴニストのみ、LH-RHアゴニスト+抗エストロゲン剤

一応、上記資料の前提・補足として、これらも。
(今回のアンケートの対象の人たちについてっていう意味で)
b0028085_9134678.jpg

以下は元がカラーだったのですが、、、グラフの仕切りは区分の順らしいです。
b0028085_9153682.jpg


この病院でも30代って少ないですね・・・
治療の期間については、なんでしょう・・・ちなみにっていう感じなんでしょうね。
サンプリングのためにたまたま通院している人を対象にしていたのでは。
薬剤の歴史が浅いわりに、大体30人前後データとれてるし、、、
この101人の方々がいつから、どんな条件で治療をしているかという差もあると思うし、
とりあえず状況をみる前提として載せてみました。

最初の資料の閉経前卵巣機能抑制については、
抗エストロゲンのみ・アロマターゼ阻害剤のグループよりも
副作用が強く感じられていますが、
薬剤の問題もあるのかも知れませんが、これは年齢的な問題もあるように思います。
平均年齢が38歳ということは卵巣機能抑制を行っている人を30代~40代として、
「本来あるはずの生理をとめる」ということは女性にとって
非常に大きすぎる変化と言えるのではないでしょうか。
これが数年続くわけです。
ホルモンの作用は自律神経に関わりますから、色々な弊害もあるはずです。

もちろん、副作用を感じていない人もいるんです。
できるならその7%に入りたかったですねえ(笑)

つづく・・・
ホルモン治療と副作用②



------
[PR]
by easy-easy | 2006-09-04 07:47 | -ホルモン治療の副作用

忘れたくない日常を残そう、楽しくブログライフを過ごしていたら’05.1に乳ガンを宣告。温存できましたが3~5年前なら全摘のケース。1ヶ月入院、放射線後、ホルモン治療。下記カテゴリをクリック!!無断転載不可です


by easy-easy