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前回まで →ホルモン治療と副作用① →ホルモン治療と副作用②
今回はソモソモ論「ホルモン治療ってナニ?」 私個人の備忘録・・・色々聞きかじりや、本で学んだことですがー、記事にアップしていなかったこと、まとめてみようかと思います。 これまでも自分の治療にあたって、触れてきてはいます。 乳がんは、外科的に取るだけではありません。ガンの要素は全身にあると考えます。 治療1:治療(その1外科的な治療) 治療2:治療(その2全身治療) 治療3:治療(その3局部的な再発防止の治療) 治療3 補足:放射線治療の日々(下着・メカニズムなど) 放射線治療について・・・温存の希望 *** ホルモン療法については100年以上の歴史があります。 1896年乳がんで進行した人に卵巣を取る手術をしたところ、 ガンが小さくなった。それが始まりです。 今でも、卵巣を取るというのは、標準治療の選択肢の中に残っています。 でも、そこまでしなくても、薬でのコントロールが可能になった。 それが現在私たちが受けているホルモン治療です。 なんで、ホルモン治療が効くのでしょう? 女性は年頃になったり、妊娠すると胸が大きくなったりします。 乳腺は卵巣ホルモンの働きに影響を受け、増殖します。 乳がんの細胞は乳腺の細胞から生じるので、 乳がんの細胞もまた卵巣ホルモンの働きによって増殖し、萎縮もする傾向があるからです。 ガンの種類によっては、もともとホルモンの影響を受けないものもあるため、 治療を決めるには、「ホルモンレセプター」を必ず調べます。 外科的に手術を行い、これを病理で調べるのです。 ここで、がん細胞にホルモンの受容体があるか無いか、受容体の量をを調べます。 ホルモンレセプターが(+)で%が高ければ高いほど、女性ホルモンの影響を受けるガンと言えます。 受容体とは、足・・・鍵穴のようなものといったところでしょうか・・・ 1.現在のホルモン治療での第一段階の考え方 どの薬を使うか、どの組み合わせにするかは 生理があるか、閉経しているか、年齢によって変わってきます。 考え方としたは2つ。 ①体内のエストロゲン濃度を下げる ②エストロゲンはそのまま(減少させる)で、 それが作用するのに必要なホルモン受容体事体をブロックする。 そしてどの薬を使うか・・・ ・抗エストロゲン剤=TAM(タモキシフェン)・・・ノルバデックス・タスオミン・フェアストン ・LH-RHアゴニスト製剤 ・・・ゾラデックス、リュープリン ・アロマターゼ阻害剤 ・・・アリミデックス・アロマシン 抗エストロゲン剤は、 細胞にエストロゲンをつかないようにするものです。 抗エストロゲン剤であるタモキシフェンには長い歴史があり、 健康な人に乳がんの予防に投与するという臨床実験があったぐらい安全といわれています。 お医者さまにとっても、実績のある薬というのは心強いでしょう。 また、経口剤で毎日1錠お手軽に飲み続けることができます。 しかし閉経前の卵巣が活発だと、 それが対応しけれないほど多くエストロゲンが分泌されている可能性が高い。 だから、LH-RHで卵巣機能を止めます。 LH-RHは性腺刺激ホルモン放出ホルモンです。 脳の間脳・視床下部から分泌されるホルモンで、 これにより下垂体からLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌されます。 さらに、これらの刺激で卵巣からエストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。 この連携を断ち切るのです。 この薬は、毎月あるいは一定の周期で皮下注射をしなくてはなりません。 閉経前で卵巣機能を抑制するというと、 LH-RHアゴニストのみ、 あるいは(LH-RHアゴニスト+抗エストロゲン剤) ということになります。 閉経後であれば、卵巣機能を止める薬剤を使用する必要はないことになります。 しかし、エストロゲンを補給するために 脂肪組織にあるアロマターゼがある酵素によってエストロゲンに作り変えられてしまう。 それを防ごうというのがアロマターゼ阻害剤で近年注目されているようです。 しかし歴史が浅いので、長期間使った場合の効果や副作用についてはわかっていません。 2003年にスイスのザンクトガレンで開催された国際会議での乳がん術後補助療法の合意事項でも、標準的治療はタモキシフェンで、アロマターゼ阻害剤に切り換えることは時期尚早とされました。 2.第三の選択肢 プロゲステロン製剤 なぜプロゲステロンが乳がんに効果があるのかはあまりよくわかっていませんが、 TAMに準じる効果があるとされています。 現在、日本で使われているのはメドロキシプロゲステロン(・・・商品名:ヒスロンH)。 ただ、この薬には体重増加、ムーンフェイス(※)、 血栓症などの副作用があります。 (※満月様顔貌・・・ステロイド系薬剤の副作用の特徴。顔が満月のように丸くなる) 優先順位は、閉経前にはLH-RHアゴニストまたはタモキシフェン、 閉経後はタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤であり、 メドロキシプロゲステロンはどちらも3番手の薬とされています。 3.日本でのホルモン剤の歴史 抗エストロゲン剤タキモシフェンが日本で承認されたのが1981年です。 1970年から3万人以上に臨床実験が行われた経緯もあります。 LH-RHアゴニスト製剤のゾラデックス、リュープリンが1994年、 ファドロゾールという第一世代のアロマターゼ阻害剤が1995年。 そして第二世代のアナストロゾールが2001年。 日本でのホルモン療法の歴史はまだ30年ぐらいしかありません。 それ以前のホルモン療法は卵巣摘出や、 女性ホルモンに対抗して男性ホルモンを投与するなど、つらいものでした。 しかし、歴史が浅い分、ホルモン剤の新薬そのものや、 今でも抗がん剤との組合せ・タイミングや ホルモン剤同士の組み合わせなど、さまざまな研究が進行中です。 色々な日本、海外のガイドライン、ザンクトガレンの決定事項など 気にしていないと最新の情報はわからないし、 主治医のスタンスによっても方法が変わってくる可能性があります。 4.治療の選択にあたって 私の場合、34歳という微妙な年齢、将来の妊娠出産への希望、 医師からの抗がん剤の提案もあった中、 (LH-RHアゴニスト+抗エストロゲン剤)の併用2年。 wash_out期間1年以降に妊娠という道を選び、1年が過ぎました。 抗がん剤をしなかったことを、ベストを尽くしていないのではないかと悩んだこともありました。 最終的に気になったこと、納得した背景は以下のリンクの記事です。 → フッキッテ、バリへ・・・ 5.思うこと 現在、私たちが受けている医療は最先端といえます。 不安はあるけれど、落ち着いてじっくりワンステップ、ワンステップを積み重ねて行こう。 ですが、医者がホルモン治療や抗がん剤を体験しているわけではありません。 風邪薬じゃないんだから。 卵巣を摘出する方法の代替としてホルモン治療が発達したと考えれば、 女性の体に何が起こるか、どんな影響があるか、、、それそのものが副作用なのです。 様々な症状は患者にしか分からないのです。 きちんと声を形にしていきましょう。未来の患者たちのために <参考>欄外「ライフログ」欄のリンクにも紹介している本。 ・レタスクラブサードオピニオンシリーズ「乳がん よくわかる乳房温存療法と治療薬」 JR東京総合病院 川端英孝 (2003年) ・NHK今日の健康「乳がん」(2005年) ・その他メルマガなど・・・ 次回は、具体的な治療・症状について。私の実生活を中心に!? -----
by easy-easy
| 2006-09-29 14:37
| -ホルモン治療の副作用
|
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